🍶江戸庶民の台所に学ぶ──昔ながらの惣菜10選
かまどの湯気がのぼり、味噌の香りがただよう長屋の夕暮れ。
江戸の人々は、旬の素材と限られた調味料で、驚くほど豊かな食卓をつくっていました。しかし、調べていくうちに分かったのは、今でも、どれもいわゆる「おふくろの味」「おばあちゃんの味」として懐かしく日本に根付いている料理ばかりでした。これが、日本の庶民の食卓の原点ですね。
ここでは、現代の台所でも手軽に再現できる江戸風お惣菜を10品紹介します。
① ひじきの煮物
ひじきを戻して、にんじん・油揚げと一緒に煮る。
調味料は、醤油・砂糖・酒。
海の香りとやさしい甘辛さがごはんにぴったり。
② 切り干し大根の煮付け
干した大根を戻し、油揚げと煮る。
薄口醤油とみりん、出汁だけで深い旨味。
「干す」という保存の知恵が生きた江戸の常備菜。
③ 里芋の煮ころがし
ぬめりをとった里芋を、出汁・醤油・砂糖で甘辛く煮て照りを出す。
少し煮詰めると、箸が止まらなくなるこっくり味。
④ 豆腐田楽
焼いた豆腐に、味噌+みりん+砂糖を練った田楽味噌を塗る。
串に刺して七輪で炙るのが江戸の屋台風。
⑤ 菜っ葉の煮浸し
小松菜を茹でて、出汁と醤油に浸す。
江戸の小松川で生まれた「小松菜」は当時の人気野菜。
油を使わない、身体にやさしい一品。
⑥ なすの味噌炒め
油を少量だけ使ってなすを炒め、味噌・砂糖・酒で調味。
ごま油の香りがアクセント。夏の定番おかず。
⑦ こんにゃくのピリ辛煮
手でちぎったこんにゃくを炒り、醤油・砂糖・唐辛子で煮る。
肉の代わりに旨味を出す精進惣菜。
⑧ 卯の花(おから炒り)
おからににんじん、ごぼう、ねぎを加えて炒り煮。
出汁・醤油・砂糖でしっとり仕上げる。
豆腐屋からもらったおからを無駄にしない江戸の知恵。
⑨ ふろふき大根
厚切りの大根を昆布出汁で柔らかく煮て、甘味噌をのせる。
寒い季節のほっとする味。湯気が「風呂を吹くよう」だからこの名がついた。
⑩ なます(酢の物)
大根とにんじんを千切りにして塩をし、水気を絞って酢と砂糖で和える。
お祝いの日はゆずを添えて香りを添える。
江戸の味つけの基本
味付けは実にシンプル。
「醤油・味噌・みりん・砂糖・酒・酢」──この六味で、ほとんどの料理ができる。
油はごま油を少しだけ、炒めよりも「煮る・浸す・焼く」が主流でした。
江戸の惣菜は、派手さはなくとも、日々の暮らしに寄り添う「滋味」。
忙しい現代でも、この素朴な一品を一つ食卓に並べるだけで、
日本の食のたたずまいに「清貧もまた食文化の品なり」と、ふっと心が和みます。



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